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持続可能性から生まれる事業成長。電通のサステナビリティ支援による新たな変革

※この記事は、2023年9月5日「ダイヤモンド・オンライン」で公開されたコンテンツを転載しています。

電通サステナビリティコンサルティング室の三笘亜樹(左)とISIDビジネスコンサルティングの寺嶋高光

電通グループにおいてクライアント企業のビジネストランスフォーメーション(BX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業が急成長する中、昨今の経営アジェンダとして欠かせない「サステナビリティ」をテーマとした相談案件も急速に増えている。電通はサステナビリティトランスフォーメーション(SX)の支援においても、グループの力を結集した統合的、総合的なアプローチによって幅広いステークホルダーを動かし、変革と持続的成長に向けクライアント企業と共に歩もうとしている。

企業が情報や選択肢を提供すれば、社会のサステナビリティが加速する

SXの支援に関して、電通では部門横断のバーチャル組織で対応に当たっていたが、2023年1月に専門部署のサステナビリティコンサルティング室を設立した。同室にはBXやDXの専門家に加え、クリエイティブやPR、IR(投資家向け広報)、デジタルやITなどの多様な専門人材がグループ各社から集まっており、サステナビリティ経営に関連するソリューションをワンストップで提供できる体制を整えている。

サステナビリティが社会課題であることは言うまでもないが、企業としてはその課題解決に向け自社や取引先だけでなく、生活者の意識や行動の変容も促し、社会のSXを共に推進していく必要がある。そこで電通サステナビリティコンサルティング室では、生活者が実際にどのような行動を取っているのかを把握するために23年秋、「生活者のサステナアクション調査」を行った。

調査結果から分かったのは、「サステナビリティに配慮した生活をしたい」と思う人が約半数を占め、日々の生活において自分一人でもできる「分別」「リサイクル」など何らかの行動を取っている人は9割に達することだった。一方、「サステナブルな行動につながる仕組みがない」「どんな行動が(社会や環境に対して)どう良いのかが分からない」といった理由から、サステナブルな行動を取っていない人がいることも分かった。

この調査結果について、サステナビリティコンサルティング室シニア・ディレクターの三笘亜樹は、「生活者だけでは解決できない部分が多く、企業が情報や選択肢などを提供することでサステナビリティアクションが加速することがうかがえます」と解説する。

また、電通グループの一員としてデジタル時代の事業革新を支援しているISIDビジネスコンサルティング(isidbc)*代表取締役社長の寺嶋高光は、「SXやGX(グリーントランスフォーメーション)といった大きな流れの中で、非財務情報の開示やマテリアリティー(優先的に取り組む重要課題)の特定といった動きが企業に広がっていますが、生活者の行動を変え、社会を変えるムーブメントを企業がリードするところまでは至っていません」と付け加える。
*ISIDビジネスコンサルティングは2024年1月1日、親会社である電通国際情報サービス(ISID)と統合し、新たに「電通総研」としてスタートする。

では、そうしたムーブメントを企業はどう生み出していけばいいのだろうか。

内なるSXと外を巻き込む変革を同時に推進する

実現したい社会へ向けた大きな動きを生み出していくためには、内と外の変革が必要だ。すなわち、企業内部のSXと、外部の幅広いステークホルダーを巻き込んだ変革である。

内なるSXについていえば、2周目の課題に多くの企業が直面している。「マテリアリティーの特定や義務的開示など主に投資家向けの対応は、ある程度進んできました。これをSXの1周目とすると、マテリアリティーを社内に浸透させ全従業員の行動変容を起こすことや社会の巻き込みが2周目の課題であり、サステナビリティ担当の役員や部署の方々からは、その点に悩んでいるという声をよく聞きます」と三笘は述べる。

電通 サステナビリティコンサルティング室
シニア・ディレクター
三笘亜樹

環境に配慮した商品を発売するにも、企業トータルの二酸化炭素(CO2)排出量を減らすにしても、調達・生産・販売などバリューチェーンに関わる全ての従業員の心を動かし、行動を変える仕組み、仕掛けが必要だ。例えば、企業のパーパスや事業ドメインと合致したマテリアリティーを特定し、それに優先的に取り組むことで社会や顧客への提供価値がどう変わり、事業収益やブランド価値の向上にどうつながるのかという、誰もが腹落ちするストーリーを構築できないと、従業員の意識と行動を変えるのは難しい。

そうしたストーリーの構築と浸透において、電通が蓄積してきたクリエイティビティーやコミュニケーションに関連する組織能力と集合知が大きな力になることを理解しているからこそ、数々の企業がSXについても同社に支援を求めるのだろう。「仲間を集め、同じ世界観をどうつくるか。利害関係を調整し、エンゲージメントを強化しながら、一つのものをつくり上げていくのは、私たちが最も得意とするところです」(三笘)。

一方で、社外を含めた幅広いステークホルダーの納得や共感を得るには、データに裏付けられたエビデンスも欠かせない。その点について寺嶋は次のように語る。「原材料の調達段階から生産、配送といったサプライチェーンの各段階において環境や人権などにどう配慮しているのか、その結果、その製品を購入することがサステナビリティにどれだけ貢献することになるのか。それをエビデンスで示すことができれば、生活者の行動は変わるはずです」。

しかし、生活者の行動が変わるだけでは、企業の利益は上がらない。一例を挙げれば、サプライチェーン全体でCO2排出量を記録・追跡できるようにするには新たな投資が必要だし、環境に配慮した素材や容器、輸送手段などを選ぶことでコストが上がることも多い。「そうした問題は企業単独では解決できません。サプライチェーン上の各プレーヤーと連携しながら、新たな仕組みを構築しなければならず、そこでも利害関係の調整やエンゲージメントの強化が鍵となります」(寺嶋)。

ISIDビジネスコンサルティング
代表取締役社長
寺嶋高光

さらには、環境や社会に配慮した新しい商品・サービスのブランドを構築し、市場を創造するための活動もステークホルダーと協働しながら進めていく必要があり、「私たちサステナビリティコンサルティング室が各分野から専門家を集め、isidbcなどのグループ各社とも協力しながら、ワンストップでソリューションを提供できる体制を整えている理由は、そこにあります」と三笘は語る。

これまで述べてきたように、一口にサステナビリティ経営と言っても、取り組むべき課題は多岐にわたる。環境や社会の持続可能性と企業としての経済合理性の両立、生活者の行動や購買意識の変容喚起、サプライチェーン上の各プレーヤーなど共創パートナーへの支援といったさまざまな課題があり、課題ごとに関係するステークホルダーが存在する。

企業としてはその全体像を俯瞰(ふかん)し、利害調整やエンゲージメント強化を統合的にマネジメントしながら、サステナビリティ経営を推進していくことが求められる。それを支援するためのフレームワークとして、電通とisidbcが共同開発したのが、「Sustainability Engagement Cycle(サステナビリティ・エンゲージメント・サイクル)」モデルである。

クライアント企業と同じ熱量で社会の未来像に向き合い、人起点の好循環を生み出す

「サステナビリティ経営のアジェンダ(課題)が多岐にわたり、そのアジェンダごとにステークホルダーとのエンゲージメントを高める必要があるため、どこから手を付けていいのか分からないという悩みを、複数のクライアント企業から伺いました。そこで、サステナビリティ経営という複雑なテーマを、誰もが『自分たちも取り組むことができる』と思えるシンプルな俯瞰図として表現し、優先順位を付けながら統合的に推進できる枠組みが必要だと考えました」。Sustainability Engagement Cycleモデルを開発した背景について、三笘はそう説明する。

このモデルの特徴は、「誰と取り組むか」「誰のために取り組むか」といったアジェンダごとのステークホルダーとの関係性を「人」起点で表し、全体像を俯瞰できるようになっていることだ。そして、この人起点のサイクルが持続的に回っている状態をつくることが、サステナブルな社会の実現につながる構造となっている。

「例えば、脱炭素化か、サーキュラーエコノミー(循環経済)の構築かといったアジェンダの違いで、ステークホルダーの構成も違ってきます。どのステークホルダーと、どういうアプローチでエンゲージメントを築いていくのか。実行段階ではリソース(経営資源)の問題も絡んできますので、いつまでに何を行うかというスコープを区切り、また、経営層や現場といったレイヤーごとに取り組むべき課題を定義するなど、段階的にスケールアウトさせていくアプローチが大事です。それを整理するためのフレームワークとして、Sustainability Engagement Cycleモデルを活用できます」(寺嶋)

同モデルは、「サステナビリティ&経済両立サイクル」「購買意識変容サイクル」「共創パートナー支援サイクル」など、サステナビリティ経営のアジェンダに応じた六つのモデルに分解して活用できるようになっており、電通とisidbcは各モデルに適用可能なソリューションを統合して、企業のSXを総合的に支援する。

「私たちもクライアント企業の皆さまと同じ熱量で実現したい社会の未来像に向き合い、人起点の好循環を生み出していきたいと考えています。それがサステナブルな社会と事業成長の両立につながると確信しています」(三笘)

両社が開発したSustainability Engagement Cycleモデルは、三笘が言う人起点の好循環を回す大きな原動力となりそうだ。

●問い合わせ先
株式会社電通
〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1
電通ウェブサイト
URL:https://www.dentsu.co.jp/
電通BXDXサイト
URL:https://dentsu-bxdx.jp

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